親の家が空き家になりそう、または既に誰も住んでいない――そんなときに気になるのが固定資産税。実は、家が「特定空き家」に指定されると、住宅用地の特例が外れて税額が最大で6倍になる場合があります。ここでは不安をあおらず、今日からできる予防策をやさしくまとめます。
特定空き家とは?
法律上の位置づけと指定理由
「空家等対策特別措置法」に基づき、市区町村が放置すると周辺へ悪影響を及ぼすと判断した空き家を指します。代表的な例は、倒壊等の危険、衛生状態の悪化(害虫・悪臭)、著しい景観の阻害、管理不全で防犯上の懸念がある状態です。
指定されると何が起きる?
税負担と行政対応
- 住宅用地の特例が解除され、固定資産税が大幅増(最大6倍のケースあり)
- 改善の指導・助言→勧告→命令の順で行政対応が進むことも
- 命令に従わない場合、行政代執行(撤去等)と費用徴収の可能性
特定空き家を避ける3つの管理ポイント
1. 通風・換気を習慣化
湿気は劣化の最大要因。月1回以上の換気でカビ・腐食を予防。遠方なら鍵預けや見回りサービスの活用を。
2. 清掃と水回りメンテ
台所・浴室・トイレは臭気と害虫の発生源になりがち。排水トラップへ水を張る、ゴミ放置をしない、簡易清掃を定期化。
3. 外観の維持(“人が住んでいる感”)
- 庭木の剪定・雑草除去・落ち葉回収
- 破損箇所(瓦・外壁・窓・雨樋)の早期補修
- ポストの整理や掲示物の更新で放置感をなくす
管理が難しいときの選択肢
巡回・管理代行の利用
月1回の通風・清掃・撮影報告までセットのサービスもあります。費用は地域と内容で差があるため、見積りは2~3社比較を。
空き家活用の検討
定期借家・民泊規制の範囲内活用・トランクルーム等、軽微な改修で収益化や人の出入りを作ると管理しやすくなります。
簡易チェックリスト(保存版)
- 【毎月】換気・通風/ポスト整理/簡易清掃
- 【季節】庭木剪定/雨樋・屋根周り点検/害虫対策
- 【年1】外壁・屋根・塀の破損点検/水回り臭気チェック
まとめ|“通風・清掃・外観維持”で十分に防げる
特定空き家の多くは日常の小さな管理不足が積み重なった結果です。通風・清掃・外観維持の3点を回し、難しければ代行を使う。これだけで税負担増や近隣トラブルの多くを避けられます。無理のない仕組み化で、将来の大きな出費を予防しましょう。
※本記事は一般的な管理ポイントの紹介です。税や法的手続きは自治体や専門家へご確認ください。